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三田のレトロなお店、畑荒物店

古家 友佳子

「もったいない店」そう言って笑顔で話す店主の畑さん。

一歩踏み入れると時間を忘れてしまいそうな不思議なお店、「畑荒物店」であなたも懐かしい掘り出し物を探してみませんか?

畑荒物店は、三田本町通り商店街と車瀬橋商店街が出会う十字路に佇んでいます。

店主の始まり

畑荒物店は畑さんの両親が始めたお店。畑さんはかねてから、定年したらこのお店を引き継ぎたいと家族に話していところ、お姉さんが「弟が退職するまでの間、私が変わりにお店をみてあげる」と、両親の後を継いで営業してくれていたそうです。

退職後、いよいよお店に立ち始めたのも束の間、2016年10月にお姉さんが病気で亡くなり、1人で畑荒物店を営むことに。

「ここには珍しいものがたくさんあるねん」と品物を紹介してくれる畑さん。

ー 思いもよらないタイミングで店主になることになりましたが困ったことはありませんでしたか?

「昔から休日など時間がある日にお店に来て品物の場所や売り方を見てたから、営業にはそれほど困らんかったけど、『お姉さんおらんの?』や『前にあったあの商品は今ないの?』の返事に困ったことはあったね」

ご両親とお姉さんが様々な商品を仕入れてくれていたそうで、今でも在庫を整理していると新たな品物や歴史を感じる古いお宝を発見するそうです。

三田市民病院の前身、三田病院の看板

昔使われていた立派な版木

ー お客さんは顔見知りや常連さんが多いですか?

「そんなこともないかなあ。もともとは農業関係の品物が多かったので、農家の人たちが多かったと聞いてます。今は若いお母さんが竹製品やキッチン用品、日用品なんかも買ってくれてるよ」

ニュータウンから2ヶ月に1回ほど来てくださるおじいさんも「ものがいっぱいで感動するわぁ」と言ってくださったり、「古いのが好き」という近所に住んでいるおばちゃんに、お店の中を案内して古い商品を紹介したこともあったそう。

1日でも長く営業して地域に貢献を。

「ここに来るお客さんを大切にしたい」と語る畑さん。

「今こうやって商売ができるのは、お店を残してくれた両親と姉のおかげで、日々感謝してます。活気があった昔の三田本町通りの時代から、ずっと商売をしてきたのを見てきた思い入れのある場所。1日でも長くお店を続けて地域に少しでも元気を届けていきたい」

非日常を感じに

「もったいない店やねん。みなさんが知っとってないこんなもんがあるのに、ここにはないやろうと思われてしまってる」

そう話す畑さん、今後はイベントを開催して、本町通りやこのお店をもっと知ってもらいたいと考えているそうです。

レトロなものに囲まれた、懐かしいやさしい空間。ちょっぴり非日常を感じに、おさんぽがてら訪れてみてください。


古家 友佳子